言わずと知れた超名作アクション映画の12年ぶりの新作である。9.11以後なアメリカを大規模サイバーテロが襲い、東海岸が壊滅状態に陥るなんとも『24』な設定のなか、我らがジョン・マックレーンが4度孤軍奮闘、ジャック・バウアーのように事件解決に奔走する。
監督は『アンダーワールド』シリーズの若手監督レン・ワイズマン。運動音痴な手前の嫁を二挺拳銃の女吸血鬼としてジャパニメーションのヒロインの如くアクションさせた人物で、CGだけでなく模型やミニチュアを多様したVFXはなかなか宜しかった。特に『レボリューション』クライマックスのヘリを絡めたアクションはかなりの見ごたえがあった。
一見の感想は歴史に残る1作目に対してのレニー・ハーリン、そして凡作な3作目を受けてのレン・ワイズマンといったような感じ。実に手間のかかったアクションのつるべ打ちで有無を言わさず一気に魅せる。人は車に轢かれてGTAの如く飛んでいくし、ヘリはパトカーにまさに打ち落とされるし、高速道路はF-35によってミサイル攻撃を受けて寸断される。その中をマックレーンはもはやダイハードどころではなく完全無敵状態の身体ひとつで切り抜けていく。
頭を空っぽにして見てる分には充分面白い。だがやはり破綻のないよう工夫していてもやはり脚本が物足りない。前作同様、オープンフィールドで展開し、しかもミスターアナログ、ジョン・マックレーンに未曾有のサイバー・テロを解決させなければならない。その為に、設定上は天才的でなければならない犯人や他の登場人物達の知能指数を軒並みマックレーンに合わせなければならないのでなんとも大味な展開で、誰が何の為に何をしているのかよくわからないなか、とにかくマックレーンと出会い倒されていくことになる。伏線等、いくらでも練りこめる要素はたくさんあるように思えたのに残念というか、アクションシーンがアクション映画という理由だけのみで召喚され続けると2時間半はやはり長い。
ネット評をいろいろ見ていると世代の差なのか、概ね好評で、もはや観客は20年ちかく前の1作目などたいして気にしていないようである。私のように、有り得ないとは思いつつシリーズものとして1作目を超える脚本の妙を存分に味わえる、奇跡のようなアクション映画を再びと、期待したものとしてはつまらなくはないが残念でしたという感じ。傑作でしたとは言えない。アクション映画の歴史を変えた『ダイ・ハード』シリーズが、誰が言ったか映画からしか学べない男、マイケル・ベイのカイマー映画の模造品に見えちゃ拙いんじゃないかと思うわけである。
褒めるとすれば、もう少し出番を増やして欲しかったが、まんまオタクなケビン・スミスににんまりしたり、大暴れするマギー・Qの回し蹴りがすこぶる良かったあたりか。マギー・Qがラスト近くに1作目のカールの如く火傷まみれで再登場すればひょっとして全部許してしまったかも知れない。
次は年齢のやばい『インディー・ジョーンズ4』とシュワルツェネッガーのいない『ターミネーター4』あたりがくるかな。どうなることやらである。
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