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カテゴリー「映画・テレビ」の記事

2007年8月20日 (月)

隠された記憶

いまさらミヒャエル・ハネケ初体験。

確かにあのシーンはびっくり。そのほかも長廻しワンカットシーンと突然の場面転換と見るほうをグイグイ画面に惹きつける。この計算されたリズムが心地よい、というかなんとも不快感を煽る。曖昧な結末のようで画面の隅々に情報の断片を散らせてきっちりと解決するようで何処かに違和感が残るような感触はジーン・ウルフやクリストファー・プリーストの小説のようである。

監督は饒舌な人らしくインタビューで全部解説してくれている。監督は「罪」といい作中では「疚しさ」と表現されるものがテーマとしておかれている。それは概ね主人公の幼少の体験に根ざした差別意識として表出する。豊かで恵まれていてごめんね、でもそれは俺が悪いのか、俺のせいじゃねーよ、そんな目で俺をみるんじゃねーよ、ということである。

正直な良識人(つまり我々で貴方達で彼ら)が本音で語り合ってお互いを理解しあっているふりをしながら、決して他人には言わない奥の奥の本心をしっかり教えてくれる、技巧的で映像的快感に溢れたワイドショーである。

つまり嫌な監督でこういう不快な映画は好き

2007年8月19日 (日)

出口のない海

別に『硫黄島からの手紙』を期待しているわけではないが、もうすこし何とかならないものか。何故アメリカ人が日本映画としての戦争を描けるのに日本人には描くことが出来ないのか。

とにかくあの能天気ともいえるダイアローグである。彼ら登場人物は喋ってるのではなく脚本家(山田洋二も書いてるのね)の主張を読んでいるのである。まずは彼らを当時の人間として扱ってやるべきであろう。

潜水艦モノとしてはCGなんかに出来のばらつきはあるが概ね面白かった。特に訓練シーン。

テレビじゃないと見なかったな。海老蔵は思った以上に貫禄が在り過ぎて、おっさんそのもなのもいただけない。

2007年8月18日 (土)

トランスフォーマー

目的が明確で、それを実現する為に天文学的な手間と資金をかけて適切な手段で完成させられた最良の結果ということであろう。こちらとしては目的がどこにあったのかということに疑義を挿みたくなるわけだが、マイケル・ベイとういう監督の本質を彼のフィルもグラフィーから察するに、その疑義自体がそもそも場違いな批判であることは明白である。つまり自分も年をとるということであり、いつの間にか遠くまできてしまったのだ。

ただ、マイケル・ベイの手数はやはり少なすぎて単調で物量任せの演出は飽きてくるし、そもそも彼には見たいという欲求が強すぎて見せたいという感覚が大きくかけてるように思う。

CGの発達はあまりに万能すぎて出来ないことはない。そこには膨大な手間がかかるが実現への工夫が必要ないのだろう。その際限ない手間が細部へと沈泥しているのではないのか。見るほうは驚きがなく、手間への関心のほうが大きいのだ。

映像面での細部の豊かさ、とりわけ米軍の恐ろしいまでの宣伝のような兵器のデモンストレーションは確かに面白かったけど(AC-130の側面射撃とかV-22とか)全体に退屈で驚くことに寝そうになった。一見ブロックバスターの超娯楽大作のように見せながら、限りなく間口のせまいニッチな映画というのがこれの正体だったのだ。

2007年8月 5日 (日)

ホーンテッド

ヤン・デ・ボンは何故監督になっちゃったのだろう。

それでもボクはやってない

それでもボクはやってない スタンダード・エディション DVD それでもボクはやってない スタンダード・エディション

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脚本もいいし演出もいい。出てくる役者も抜群にいい。すこぶる面白いのである。

でも、これって何の面白さだろう?映画としてどうなの?結局は痴漢事件を争う刑事裁判とうい題材の面白さじゃないのかという所に行き着く。もちろん題材だけではなく冒頭の要因あってこそなのだけれど、それでもなお題材によっかかりすぎなのじゃないかと思われる。これは周防監督自身が述べているとおり刑事事件の制度の歪みがネタとして面白く、その理不尽さを映画を通して世間に伝えたいという動機がそうさせているのだろう。

つまりこの映画は周防監督のコメディ的感覚のおかしみが全編に散りばめられてはいるが、正体は徹底的に正統な社会派であったということなのだ。だから、わたしが強く興味を持っていたラストの着地点がどうなるかというと、本来、裁判の過程によって明らかにされるべき事件の真相が(裁判では真実など明らかにされることはないのだと、この映画が見るものに伝えてきていたのだが)突然、主人公の一人称の真実として語られ、この歪んだ裁判制度が冤罪を生み出したのだという結論に至るのである。

監督は傍聴席から見える刑事裁判を描いた。ならば傍聴席から見える真実(もしくは真実が見えないこと)を描ききるべきではなかったのだろうか?映画としてここで若干の違和感を覚えた。リベラルな社会派としては正解なのだろうけど。

2007年8月 3日 (金)

デジャヴ

Deja_vu_poster01 ジェリー・ブラッカイマー談

「ごちゃごちゃうるさいな。そんなのどうでもいいだろっ!」

2007年7月15日 (日)

島根の弁護士

原作未読、ドラマ見る。

まあ普通のスペシャルっぽいが詰め込んだ感が強い割りに退屈な場面が多かったり目をはなすとどんどこ進んだりなかなかペースが面白い変なドラマだった。

んで、ラストの、みんな知ってるけど主人公だけ知らない伏線が連ドラの為の伏線で回収されないのかなと思うと告白が突然始まって、しかもテンションががっつり変わって話を回収。

確かにこういう展開は充分アリというか理屈もつくけど流石に笑ってしまった。実際、笑わそうとしてるんでしょ?っていうかやはり連ドラの為の伏線で実は次回から母を追って地方の弁護士過疎の町を全国巡るんだ。『秋田の弁護士』とか『佐賀の弁護士』とか。母抜きで島根で続けるっておかしいよね、ドラマの流れとしては

2007年7月11日 (水)

ヘルゲランド萌え~

Payback_s_up_dvd なんとメル・ギブソンの『ペイバック』がディレクターズ・カットで出ていた。

ちょっとこれは見て~

ゲド戦記

ゲド戦記 DVD ゲド戦記

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発売日:2007/07/04
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原案:宮崎駿『シュナの旅』なのである。これが全てを語っているのである。

ゴローは個人的な問題からのっぴきならない精神状態で偉大な父であるパヤ王を殺す。この観客から無関係の驚くべき父殺しから物語は幕を開ける。もちろんそれではゴロー君の内から噴出する精神的問題は解決されないので、理想の父親ハイタカが手を差し伸べてくれる。ハイタカはパヤ王と違って人間的で誰にでも優しく、特に息子ゴローを何処までも優しく包み込んでくれる。そんな人間的な父は弱さも見せてしまう。そうなるとこっちのもの、ここぞとばかりに立派な息子を演じて父を救い家族ゲームをはじめるのだった。

世代的にそうなのか素人がつくるとそうなるのか『CASSHERN』を思い出した。とにかく皆饒舌、全部説明してしまう。説明してる間は画面が動かない。説明だけだと飽きるので説明が終わるとジブリの力ですこし動かしてみせる。宮崎駿は映画の為に意図的に通常の物語を放棄したけれど吾郎は素材を物語に構築する技術が未熟なだけだろう。後半頻出する唐突な演出は笑わそうとしているとしか思えない。画面の密度の差もばらつきがあり見てられない。

結局、ジブリブランドとは宮崎駿ブランドでジブリは宮崎駿の映画を作るスタジオなのである。ただ宮崎駿は毎年新作を作れない。しかもいつまで作るかわからない。せめて2年に1本は製作しなければならない。鈴木敏夫は宮崎駿亡き後も宮崎(駿)ブランドを存続させるべく吾郎を召喚したわけだ。でもねジブリブランドを確立することに失敗したのに素人で宮崎ジブリブランドが確立できるわけないじゃん。

2007年7月 8日 (日)

ティアーズ・オブ・ザ・サン

テレビで放映している。『ダイハード4.0』のおかげで毎日ブルース・ウィリスを見ている気がする。

以前DVDで見たときも良い印象がないが(だったら何故見る)やはり退屈。ブルース・ウィリスが孤立無援のモニカ・ベルッチを救出する為に、ハワイのナイジェリアで内戦が勃発する話。もう少し政治的な視線が欲しいというか、露骨でデリカシーのない場面が続く。アントワーン・フークワは結構下手なのかな。こういうのはズウィックあたりだともう少し見れる映画に仕上げられたかも。

駄目、もういいや。『伝染歌』、山田悠介原作か?激しく気になるが絶対見ない映画だろうな。

2007年6月29日 (金)

松本人志の人間論

NHKBSで今晩放送。松本が追い求めてきた「笑い」を徹底解明、だそうだ。

「すべらない話・ゴールデン」や、「リンカーン」、「ゲツヨル」なんかも含めてとにかく、最近の松本人志はだだすべりな感じがしてどうしようもないんだがな~

ダイ・ハード4.0

ダイ・ハード4.0 言わずと知れた超名作アクション映画の12年ぶりの新作である。9.11以後なアメリカを大規模サイバーテロが襲い、東海岸が壊滅状態に陥るなんとも『24』な設定のなか、我らがジョン・マックレーンが4度孤軍奮闘、ジャック・バウアーのように事件解決に奔走する。

監督は『アンダーワールド』シリーズの若手監督レン・ワイズマン。運動音痴な手前の嫁を二挺拳銃の女吸血鬼としてジャパニメーションのヒロインの如くアクションさせた人物で、CGだけでなく模型やミニチュアを多様したVFXはなかなか宜しかった。特に『レボリューション』クライマックスのヘリを絡めたアクションはかなりの見ごたえがあった。

一見の感想は歴史に残る1作目に対してのレニー・ハーリン、そして凡作な3作目を受けてのレン・ワイズマンといったような感じ。実に手間のかかったアクションのつるべ打ちで有無を言わさず一気に魅せる。人は車に轢かれてGTAの如く飛んでいくし、ヘリはパトカーにまさに打ち落とされるし、高速道路はF-35によってミサイル攻撃を受けて寸断される。その中をマックレーンはもはやダイハードどころではなく完全無敵状態の身体ひとつで切り抜けていく。

頭を空っぽにして見てる分には充分面白い。だがやはり破綻のないよう工夫していてもやはり脚本が物足りない。前作同様、オープンフィールドで展開し、しかもミスターアナログ、ジョン・マックレーンに未曾有のサイバー・テロを解決させなければならない。その為に、設定上は天才的でなければならない犯人や他の登場人物達の知能指数を軒並みマックレーンに合わせなければならないのでなんとも大味な展開で、誰が何の為に何をしているのかよくわからないなか、とにかくマックレーンと出会い倒されていくことになる。伏線等、いくらでも練りこめる要素はたくさんあるように思えたのに残念というか、アクションシーンがアクション映画という理由だけのみで召喚され続けると2時間半はやはり長い。

ネット評をいろいろ見ていると世代の差なのか、概ね好評で、もはや観客は20年ちかく前の1作目などたいして気にしていないようである。私のように、有り得ないとは思いつつシリーズものとして1作目を超える脚本の妙を存分に味わえる、奇跡のようなアクション映画を再びと、期待したものとしてはつまらなくはないが残念でしたという感じ。傑作でしたとは言えない。アクション映画の歴史を変えた『ダイ・ハード』シリーズが、誰が言ったか映画からしか学べない男、マイケル・ベイのカイマー映画の模造品に見えちゃ拙いんじゃないかと思うわけである。

褒めるとすれば、もう少し出番を増やして欲しかったが、まんまオタクなケビン・スミスににんまりしたり、大暴れするマギー・Qの回し蹴りがすこぶる良かったあたりか。マギー・Qがラスト近くに1作目のカールの如く火傷まみれで再登場すればひょっとして全部許してしまったかも知れない。

次は年齢のやばい『インディー・ジョーンズ4』とシュワルツェネッガーのいない『ターミネーター4』あたりがくるかな。どうなることやらである。